朝起きたら「そうだ、ブログ作ろう」って思ったときに読む話。
さっそく、Geminiにお願いして、憧れのAWSだけでWordpressを始める方法をまとめてみたよ。
実際に作れたのがこのブログです。
とりあえず立ち上げるまでの操作で、立ち上げ後の細かい設定はまた今度。
プロンプト
AWSだけでWordpressブログ運営環境を構築したい。
ドメイン取得はROUTE53
WordPressインストールはLightsail
WordPressのテーマは人気があり、日本語の解説が豊富なものを二つ挙げて、その機能と使用方法も詳しく書いてください。
ドメインは”yamacatone.org”です。
全くのネットワーク管理。プログラミング、ブログ運営の初心者が。「これさえ見れば絶対にスタートできる」という作業フローを書いてください。
注意点
1.AWSのルートユーザーやIAMユーザーの切り替えなど、セキュリティ管理面の実際にも言及してください。
2.AWSのアカウントを、Amazonのアカウントと分けた方が良い理由も添えてください。
3.AWSやwordpressのダッシュボード管理画面については、レイアウトや単語がバージョンにより変更されることがあります。同じ意味のことを言っていても異なる単語が使われていると混乱することもあるので、可能な限り最新の情報を基に解説してください。
4.専門用語には注釈や解説、なぜそれが必要なのかを詳しく優しく解説してください。(例:DNS、静的IP、WORDPRESSのアップデート)
AWS WordPressガイド
- info1. はじめに
- looks_one2. ステップ1:AWSアカウントの準備とセキュリティ初期設定
- person_add2.1. AWSアカウントの新規作成
- call_split2.2. AWSアカウント分離の重要性:なぜ個人Amazonアカウントと分けるのか?
- security2.3. セキュリティの基礎:ルートユーザーとIAMユーザー
- manage_accounts2.4. 管理者IAMユーザーの作成
- enhanced_encryption2.5. 多要素認証(MFA)の設定でセキュリティを鉄壁に
info1. はじめに
このアプリケーションは、AWSのサービスを利用してWordPressブログ「yamacatone.org」を構築するためのステップバイステップガイドをインタラクティブに提供します。各セクションをクリックして詳細を確認し、専門用語の解説や比較表を活用しながら、ブログ開設までの道のりをスムーズに進めましょう。
flagこのガイドの目的と対象読者
このガイドは、ネットワーク管理、プログラミング、ブログ運営の経験がない初心者の方が、Amazon Web Services (AWS) のサービスだけを利用して、ご自身のWordPressブログ「yamacatone.org」を確実に立ち上げられるように、具体的な手順を一つひとつ丁寧に解説することを目的としています。専門用語はできる限り平易な言葉で説明し、AWSの管理画面(UI)についても最新の情報を元に解説を加えます。AWSの操作は初めてという方でも、このガイドに従って進めれば、迷うことなく作業を完了できるはずです。
visibility完成イメージの提示
このガイドを最後まで読み進めることで、独自ドメイン「yamacatone.org」でアクセスできる、基本的な設定が完了したWordPressブログが完成します。具体的には、ドメインの取得からサーバーの準備、WordPressのインストール、そしてブログのデザインを整えるための人気テーマの導入方法までを網羅します。最終的には、すぐに記事を書き始められる状態を目指します。
cloud_doneAWSを利用するメリット(軽く触れる)
AWSは、世界中の多くの企業や個人に利用されているクラウドコンピューティングサービスです。その大きなメリットの一つは、非常に高い信頼性と安定性を備えたインフラを利用できることです。また、小規模なブログから大規模なウェブサイトまで、必要に応じてリソースを柔軟に調整できるため、スモールスタートに適しています。このガイドで利用するサービスは、初心者でも扱いやすく、かつコストを抑えて始められるように選定していますので、安心して取り組んでください。
looks_one2. ステップ1:AWSアカウントの準備とセキュリティ初期設定
WordPressブログをAWSで構築するための最初のステップは、AWSアカウントを作成し、セキュリティの基本設定を行うことです。これは、安全なブログ運営の基盤となります。以下のサブセクションを展開して、詳細な手順を確認してください。
account_treeステップ1の簡易ワークフロー
looks_two3. ステップ2:独自ドメイン「yamacatone.org」の取得
ブログに独自の「顔」となるドメイン名を設定しましょう。ここでは、AWSのDNSサービスであるAmazon Route 53を利用して、指定されたドメイン名「yamacatone.org」を取得します。
looks_34. ステップ3:Amazon LightsailでWordPress環境を構築
ドメイン名を取得したら、次はそのドメイン名で表示するWordPressブログ本体を設置するサーバー環境を準備します。AWSには様々なサーバーサービスがありますが、初心者の方には「Amazon Lightsail」が特におすすめです。
looks_45. ステップ4:ドメインとWordPressを接続
LightsailでWordPress環境を準備し、静的IPアドレスも取得できました。次はいよいよ、ステップ2で取得した独自ドメイン「yamacatone.org
」と、このWordPressインスタンスを結びつける作業、DNSレコードの設定です。
lanステップ4の簡易データフロー
(yamacatone.org入力)
(WordPress)
looks_56. ステップ5:WordPressの初期設定とテーマ選択
ドメインとサーバーが結びついたら、いよいよWordPress自体の設定と、ブログの見た目を決めるテーマの選択です。
looks_67. ステップ6:WordPressの運用とメンテナンス
WordPressブログを立ち上げた後も、安全かつ快適に運営を続けるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。その中でも特に重要なのが、WordPress本体、テーマ、プラグインのアップデートです。
checklist8. まとめと次のステップ
ここまでのステップで、AWS上にWordPressブログを構築するための基本的な流れを網羅しました。最後に、これまでの作業を振り返り、今後のブログ運営に向けたステップを確認しましょう。
AWSでWordPressブログを始めよう!
初心者向け完全ガイド
Route 53とLightsailで作る"yamacatone.org"
1. はじめに
このガイドの目的と対象読者
このガイドは、ネットワーク管理、プログラミング、ブログ運営の経験がない初心者の方が、Amazon Web Services (AWS) のサービスだけを利用して、ご自身のWordPressブログ「yamacatone.org」を確実に立ち上げられるように、具体的な手順を一つひとつ丁寧に解説することを目的としています。専門用語はできる限り平易な言葉で説明し、AWSの管理画面(UI)についても最新の情報を元に解説を加えます。AWSの操作は初めてという方でも、このガイドに従って進めれば、迷うことなく作業を完了できるはずです。
完成イメージの提示
このガイドを最後まで読み進めることで、独自ドメイン「yamacatone.org」でアクセスできる、基本的な設定が完了したWordPressブログが完成します。具体的には、ドメインの取得からサーバーの準備、WordPressのインストール、そしてブログのデザインを整えるための人気テーマの導入方法までを網羅します。最終的には、すぐに記事を書き始められる状態を目指します。
AWSを利用するメリット(軽く触れる)
AWSは、世界中の多くの企業や個人に利用されているクラウドコンピューティングサービスです。その大きなメリットの一つは、非常に高い信頼性と安定性を備えたインフラを利用できることです。また、小規模なブログから大規模なウェブサイトまで、必要に応じてリソースを柔軟に調整できるため、スモールスタートに適しています。このガイドで利用するサービスは、初心者でも扱いやすく、かつコストを抑えて始められるように選定していますので、安心して取り組んでください。
2. ステップ1:AWSアカウントの準備とセキュリティ初期設定
WordPressブログをAWSで構築するための最初のステップは、AWSアカウントを作成し、セキュリティの基本設定を行うことです。これは、安全なブログ運営の基盤となります。
2.1. AWSアカウントの新規作成
AWSアカウントの作成は無料で行えますが、いくつかの情報を準備する必要があります。
手順の詳細解説:
- AWSアカウント作成ページへのアクセス: まず、ウェブブラウザでAWSのアカウント作成ページ(
https://portal.aws.amazon.com/billing/signup
などで検索して公式ページへ)にアクセスします 1。 - アカウント情報の入力:
- 言語の選択: 画面の指示に従い、必要であれば言語を「日本語」に設定します 1。
- ルートユーザーのEメールアドレス: AWSへのログインや通知に使用するメールアドレスを入力します。このメールアドレスは「ルートユーザー」という、アカウントの全権限を持つ特別なユーザーのIDとなりますので、普段から確実に確認できるものを使用してください 1。
- AWSアカウント名: アカウントの名称を入力します。これは管理上の名前で、後から変更も可能です。半角英数字で入力しましょう 1。
- ルートユーザーパスワード: AWSログイン時に使用するパスワードを設定します。セキュリティのため、8文字以上で、大文字・小文字の英語、数字、記号(例:
!@#$%^&*()
など)のうち3種類以上を含む複雑なパスワードを設定することが推奨されます 1。 - 入力したメールアドレス宛に確認コードが送信されるので、そのコードを入力して認証を完了します 1。
- 連絡先情報の入力:
- AWSの使用方法: 個人でブログを運営する場合は「個人 – ご自身のプロジェクト向け」を選択します 1。
- 連絡先情報: 氏名、電話番号、住所などを入力します。ここで注意が必要なのは、住所情報を半角のアルファベットおよび数字で入力する必要がある点です 1。日本語での入力はできません。
- 例:氏名
Ichiro Tanaka
- 例:住所
1-1-1 Kamiosaki, ABC Building
(番地、建物名) - 例:市区町村
Shinagawa-ku
- 例:都道府県
Tokyo
- 例:郵便番号
153-0064
- 例:氏名
- AWSカスタマーアグリーメントを確認し、同意のチェックを入れます 2。
- 請求情報の入力:
- 支払い情報を登録します。クレジットカードまたはデビットカードの情報(カード番号、有効期限、カード保有者名)を入力します 1。アカウント作成自体は無料ですが、無料利用枠を超えたサービス利用分や、有料サービス利用時にこの支払い情報が使用されます。
- 本人確認:
- SMS(ショートメッセージサービス)または音声電話による本人確認が行われます。電話番号を入力し、受信した確認コードを入力します 1。
- AWSサポートプランの選択:
- いくつかのサポートプランが表示されますが、個人のブログ運営であれば、最初は無料の「ベーシックサポート」プランで十分です 1。必要に応じて後から有料プランに変更することも可能です。
- AWSアカウント作成完了:
- 以上の手順でアカウント作成は完了です。「AWSマネジメントコンソールへ進む」ボタンが表示されるので、クリックしてログイン画面に進みましょう 1。
初心者が注意すべき点:
- AWSアカウントの作成自体は無料ですが、AWSのサービスには「無料利用枠」が設定されているものと、利用した分だけ料金が発生する従量課金制のものがあります 1。無料利用枠の範囲や期間をよく確認し、意図しない課金を避けるようにしましょう。
- 登録したメールアドレスとパスワードは、AWSアカウントの全権限を持つ「ルートユーザー」の情報です。非常に重要な情報ですので、厳重に管理してください 1。
2.2. AWSアカウント分離の重要性:なぜ個人Amazonアカウントと分けるのか?
AWSアカウントを、日常的にオンラインショッピングなどで利用している個人のAmazonアカウントと分けることは、セキュリティと管理の両面から非常に重要です。可能であれば、さらに用途に応じてAWSアカウントを複数持つことも推奨されますが、まずは個人ブログ用として専用のAWSアカウントを作成することから始めましょう。
解説:
AWSアカウントを分離する主なメリットは以下の通りです。
- セキュリティの向上:
- リソースの分離による被害の軽減: AWSアカウントが侵害された場合、その影響範囲を特定のアカウント内に限定できます。例えば、もし日常利用のAmazonアカウントと共通の認証情報を使っていて、それが漏洩した場合、AWSリソースだけでなくAmazonの購買情報なども危険に晒される可能性があります。専用アカウントにすることで、万が一の際の被害を最小限に抑えられます 3。
- 偶発的な変更や削除の防止: アクセス権限を適切に管理することで、誤操作による重要なリソースの変更や削除を防ぎます 3。
- 管理の効率化:
- コスト追跡の容易さ: AWSの請求はアカウント単位で行われるため、専用アカウントにすることでブログ運営にかかる費用を正確に把握しやすくなります 3。
- テスト環境の分離: 将来的に新しい機能やデザインを試したい場合、本番環境とは別のアカウント(または環境)を用意することで、リスクなくテストが行えます 3。
この「アカウント分離」という考え方は、単に情報を整理するという以上の意味を持ちます。これは、問題が発生した際に被害が他の重要な領域に広がらないようにするための、積極的なセキュリティ対策の第一歩です。例えば、もしルートユーザーの認証情報が漏洩してしまった場合、そのアカウント内のすべてのリソースが危険に晒されてしまいます。しかし、最初から作業用のIAMユーザー(後述)を作成し、ルートユーザーは緊急時以外使用しないという運用を徹底すれば、仮にIAMユーザーの情報が漏洩したとしても、被害はそのIAMユーザーが持つ権限の範囲内に限定されます。初心者のうちからこの習慣を身につけることで、将来的にブログが成長したり、他のプロジェクトをAWSで始めたりする際にも、自然とセキュリティの高い構成を取れるようになります。これは、問題が起きてから対応するのではなく、問題が起きにくいように事前に対策を講じる「プロアクティブ」な姿勢と言えます。
初心者への推奨:
個人ブログの運営であっても、必ず専用のAWSアカウントを作成しましょう。そして、この後説明する「IAMユーザー」を作成し、日常的な作業はそのIAMユーザーで行う習慣をつけることが、セキュリティを高める上で非常に重要です。ルートユーザーは、アカウント作成直後の初期設定や、IAMユーザーでは行えない特別な操作(請求情報の変更など)の際にのみ使用するようにします。
2.3. セキュリティの基礎:ルートユーザーとIAMユーザー
AWSのセキュリティを理解する上で、「ルートユーザー」と「IAMユーザー」の違いを把握することは不可欠です。
専門用語解説:ルートユーザー (Root User)
ルートユーザーとは、AWSアカウント作成時に設定したメールアドレスとパスワードでログインするユーザーのことです。このユーザーは、アカウント内の全てのAWSサービスとリソースに対して完全なアクセス権限を持っています 4。まさに「何でもできる」ユーザーであるため、その認証情報は非常に慎重に取り扱い、日常的な作業には使用しないことが強く推奨されています 6。
専門用語解説:IAMユーザー (AWS Identity and Access Management User)
IAM (AWS Identity and Access Management) は、AWSリソースへのアクセスを安全に管理するためのサービスです。IAMユーザーは、このIAMサービスを通じて作成される個別のユーザーアカウントです 5。ルートユーザーとは異なり、IAMユーザーには必要な操作を行うための最小限の権限(パーミッション)のみを付与することが基本です。これを「最小権限の原則」と呼び、セキュリティのベストプラクティスとされています 5。例えば、ブログのファイルを管理するユーザーにはファイル操作の権限だけを、データベースを管理するユーザーにはデータベース操作の権限だけを与える、といった具合です。
2.4. 管理者IAMユーザーの作成
ルートユーザーでの初回ログイン後、最初に行うべき重要な作業の一つが、日常的な管理作業を行うためのIAMユーザーを作成することです。ここでは、管理者権限を持つIAMユーザーを作成します。
手順の詳細解説:
- AWSマネジメントコンソールにルートユーザーでログインします。
- 画面上部の検索バーに「IAM」と入力し、表示された「IAM」サービスを選択してIAMダッシュボードを開きます。
- 左側のナビゲーションペインから「ユーザー」を選択します。
- 「ユーザーを追加」ボタンをクリックします 6。
- ユーザー詳細の設定:
- ユーザー名: 任意のユーザー名を入力します(例:
yamacatone-admin
)。 - AWS 認証情報タイプを選択: 「パスワード - AWS マネジメントコンソールへのアクセス」にチェックを入れます 6。これにより、このユーザーはウェブブラウザからAWSマネジメントコンソールにログインできるようになります。「プログラムによるアクセス」は、現時点ではブログ運営に直接必要ないため、チェックは不要です。
- コンソールのパスワード: 「カスタムパスワード」を選択し、強力なパスワードを設定します。
- パスワードのリセットが必要: 「ユーザーは次回のサインイン時に新しいパスワードを作成する必要があります (推奨)」のチェックは、個人の管理者ユーザーであれば外しても構いませんが、セキュリティを考慮するならチェックを入れたままにし、初回ログイン時にパスワードを変更します。
- ユーザー名: 任意のユーザー名を入力します(例:
- 「次のステップ:アクセス権限」ボタンをクリックします。
- アクセス権限の設定:
- 「既存のポリシーを直接アタッチ」を選択します 6。
- ポリシーのフィルタ(検索窓)に「
AdministratorAccess
」と入力し、表示されたポリシーにチェックを入れます。このポリシーは、AWSのほぼ全てのサービスに対する完全なアクセス権限を付与するものです。
- 「次のステップ:タグ」ボタンをクリックします。タグはリソースの整理に役立ちますが、ここでは省略して構いません。「次のステップ:確認」をクリックします。
- 設定内容を確認し、問題がなければ「ユーザーの作成」ボタンをクリックします 6。
- 成功画面と認証情報の保存: ユーザー作成が成功すると、ログイン用のURL(例:
https://<アカウントID>.signin.aws.amazon.com/console
)、ユーザー名、パスワードが表示されます。特にログインURLは重要なので、ブックマークしておきましょう。パスワードは安全な場所に控えておきます。
作成後の注意点:
これ以降のAWSマネジメントコンソールでの作業は、特別な理由がない限り、今作成したIAMユーザー(この例では yamacatone-admin)で行うようにしてください。ルートユーザーはサインアウトし、IAMユーザーでログインし直しましょう。
2.5. 多要素認証(MFA)の設定でセキュリティを鉄壁に
パスワードだけでは、万が一漏洩した場合に不正アクセスのリスクがあります。そこで重要になるのが多要素認証(MFA)です。
専門用語解説:MFA (Multi-Factor Authentication)
MFAとは、ログイン時に複数の要素を組み合わせて本人確認を行う認証方法です 4。一般的には、「知識情報(ユーザーだけが知っているもの:パスワードなど)」と「所持情報(ユーザーだけが持っているもの:スマートフォンアプリで生成される一時的なコードなど)」の2つの要素を組み合わせます 8。これにより、仮にパスワードが第三者に知られてしまっても、所持情報がなければログインできないため、セキュリティが大幅に向上します。
パスワードは、フィッシング詐欺、マルウェア感染、あるいは他のサービスでのパスワード使い回しなど、様々な理由で漏洩する可能性があります。この「パスワードは漏洩しうる」という前提に立つと、MFAがいかに重要かが理解できます。MFAを設定していれば、攻撃者はパスワードを入手しただけでは不十分で、MFAデバイス(多くはスマートフォン)から生成されるワンタイムコードも同時に入手しなければならず、不正アクセスのハードルが格段に上がります。
初心者にとっては、MFAの設定は少し手間に感じるかもしれません。しかし、その手間を惜しむことで失う可能性のあるもの(金銭的被害、個人情報やブログデータの損失、信用の失墜など)は計り知れません。したがって、このガイドではMFAの設定を「強く推奨」するのではなく、「必ず行うべき作業」として位置づけ、その理由と手順を丁寧に説明します。特に、全権限を持つルートユーザーと、管理者権限を持つIAMユーザーへのMFA設定は、ブログ運営の規模に関わらず、最初に行うべき最重要作業の一つです。
ルートユーザーのMFA設定手順:
- ルートユーザーでAWSマネジメントコンソールにログインします。
- 画面右上のアカウント名(またはアカウントID)が表示されている部分をクリックし、ドロップダウンメニューから「セキュリティ認証情報」を選択します 8。
- 「多要素認証 (MFA)」セクションの「MFAを割り当てる」(または「MFAデバイスの割り当て」)ボタンをクリックします 8。
- MFAデバイスの選択:
- デバイス名: 任意の名前を入力します(例:
root-iphone-auth
など、どのユーザーのどのデバイスか分かるようにすると良いでしょう)8。 - MFAデバイスのタイプ: 「認証アプリケーション」(または「仮想MFAデバイス」)を選択します 8。これは、Google Authenticator、Microsoft Authenticator、Authyなどのスマートフォンアプリを利用する方法です。事前にいずれかの認証アプリをスマートフォンにインストールしておいてください。
- デバイス名: 任意の名前を入力します(例:
- 「次へ」をクリックすると、QRコードが表示されます 8。
- 認証アプリでの設定:
- スマートフォンにインストールした認証アプリを起動し、新しいアカウントを追加する機能(通常「+」ボタンや「アカウントを追加」など)を選択します。
- 「QRコードをスキャン」を選択し、PC画面に表示されているQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ります 8。
- アプリに6桁の認証コード(ワンタイムパスワード)が生成・表示されるようになります。このコードは数十秒ごとに自動的に更新されます。
- MFAコードの入力:
- PC画面に戻り、「MFAコード1」に認証アプリに表示されている現在の6桁のコードを入力します 8。
- コードが更新されるのを待ち、新しい6桁のコードがアプリに表示されたら、それを「MFAコード2」に入力します 8。連続する2つの異なるコードを入力する必要があります。
- 「MFAを追加」(または「MFAを割り当て」)ボタンをクリックします。
- 「MFAデバイスが正常に割り当てられました」といったメッセージが表示されれば、ルートユーザーのMFA設定は完了です 8。次回以降、ルートユーザーでログインする際には、パスワードに加えて認証アプリで生成されるMFAコードの入力が求められます。
IAMユーザーのMFA設定手順:
次に、先ほど作成した管理者IAMユーザー(例: yamacatone-admin)にもMFAを設定します。手順はルートユーザーの場合とほぼ同様です。
- 管理者IAMユーザーでAWSマネジメントコンソールにログインします。 (ルートユーザーはサインアウトしてください)
- 画面右上のユーザー名(例:
yamacatone-admin@<アカウントID>
)をクリックし、ドロップダウンメニューから「セキュリティ認証情報」を選択します 10。 - 「多要素認証 (MFA)」セクションの「MFAを割り当てる」ボタンをクリックします 10。
- MFAデバイスの選択:
- デバイス名: 任意の名前を入力します(例:
yamacatone-admin-iphone-auth
)。 - MFAデバイスのタイプ: 「Authenticator app」(認証アプリケーション)を選択します 10。
- デバイス名: 任意の名前を入力します(例:
- 「次へ」をクリックすると、QRコードが表示されます 10。
- 認証アプリでの設定: スマートフォンの認証アプリで、ルートユーザーの時と同様にQRコードをスキャンし、新しいアカウントとして登録します。
- MFAコードの入力: PC画面の「MFAコード1」と「MFAコード2」に、認証アプリで生成される連続した2つの異なる6桁のコードを入力します 10。
- 「MFAを追加」ボタンをクリックします。
- 成功メッセージが表示されれば、IAMユーザーのMFA設定も完了です 10。
Chromeブラウザの拡張機能(例: Authenticator)を仮想MFAデバイスとして利用する方法もありますが、セキュリティの観点からは物理的に別のデバイスであるスマートフォンアプリを利用する方がより安全です 10。
これで、AWSアカウントの基本的なセキュリティ設定が完了しました。以下のチェックリストで確認しましょう。
Table 1: AWSアカウントセキュリティ初期設定チェックリスト
確認項目 | 完了 | 関連情報/理由 |
AWSアカウントを新規作成した | □ | ブログ運営の基盤 |
ルートユーザーのメールアドレスとパスワードを安全に保管した | □ | 全権限を持つため、厳重管理が必要 |
管理者権限を持つIAMユーザーを作成した | □ | 日常作業はこのユーザーで行う(最小権限の原則) |
ルートユーザーにMFAを設定した | □ | ルートユーザーアカウントの不正アクセス防止のため最重要 4 |
管理者IAMユーザーにMFAを設定した | □ | 管理者アカウントの不正アクセス防止のため重要 |
ルートユーザーのアクセスキーは作成しない | □ | 日常的なプログラムアクセスにはIAMユーザーのアクセスキーかIAMロールを使用 4 |
日常作業はIAMユーザーで行う | □ | ルートユーザーの使用は最小限に留める |
このチェックリストの項目をすべて完了することで、一定のセキュリティレベルを確保し、安心して次のステップに進むことができます。
3. ステップ2:独自ドメイン「yamacatone.org」の取得
ブログに独自の「顔」となるドメイン名を設定しましょう。ここでは、AWSのDNSサービスであるAmazon Route 53を利用して、指定されたドメイン名「yamacatone.org」を取得します。
3.1. Amazon Route 53 でドメインを登録する
Amazon Route 53は、ドメイン名の登録、DNSルーティング、ヘルスチェックなどの機能を提供する、可用性と拡張性に優れたDNSウェブサービスです。
手順の詳細解説:
- AWSマネジメントコンソールにIAMユーザーでログインします。 (ステップ2.4で作成した管理者IAMユーザーを使用)
- 画面上部の検索バーに「Route 53」と入力し、表示された「Route 53」サービスを選択してRoute 53ダッシュボードを開きます。
- 左側のナビゲーションペインから「登録済みドメイン」を選択し、「ドメインを登録」ボタンをクリックします 12。
- ドメイン名の検索と選択:
- 「ドメインの検索」セクションの入力フィールドに、取得したいドメイン名「
yamacatone.org
」を入力します。 - トップレベルドメイン(TLD)として「.org」が選択されていることを確認し、「検索」ボタンをクリックします 12。
- Route 53がそのドメイン名が利用可能かどうかを確認します。利用可能であれば、リストに表示され、価格も提示されます。
- 「
yamacatone.org
」が利用可能な場合は、それを選択して「カートに追加」します。
- 「ドメインの検索」セクションの入力フィールドに、取得したいドメイン名「
- 「チェックアウトに進む」ボタンをクリックします 12。
- 登録オプションの設定:
- 登録年数: ドメインを登録する年数を選択します(通常1年から10年まで選択可能)。最初は1年で登録し、必要に応じて後で更新することができます。
- 自動更新: ドメインの有効期限が切れる前に自動的に登録を更新するかどうかを選択します。「有効にする」が推奨されますが、手動で管理したい場合は「無効にする」ことも可能です 12。自動更新を有効にすると、意図せずドメインを失効させてしまうリスクを減らせます。
- 連絡先情報の入力: ドメイン登録者の連絡先情報を入力します。WHOIS情報公開代行サービスが利用できる場合は、プライバシー保護のために利用を検討しましょう。AWS Route 53では、多くのTLDで追加料金なしでプライバシー保護が提供されます。入力は**英語(半角英数字)**で行う必要があります 12。
- Registrant Contact (登録者連絡先), Admin Contact (管理者連絡先), Tech Contact (技術担当者連絡先) に、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを正確に入力します。個人の場合はすべて同じ情報で構いません。
- 利用規約を確認し、同意のチェックを入れます。
- 「注文を完了」または同様のボタンをクリックして、支払い処理を完了します。
- 登録処理には少し時間がかかる場合があります。Route 53のダッシュボードで「リクエスト」や「登録済みドメイン」のステータスを確認できます。通常、数分から数時間で登録が完了します。
注意点:
- ドメイン名の登録および更新にかかる費用は、原則として返金対象外です 12。ドメイン名を間違えないように、また自動更新の設定については慎重に選択してください。
3.2. DNSとは? – インターネットの住所解決の仕組みを優しく解説
ドメイン名を取得しただけでは、まだそのドメイン名であなたのブログにアクセスすることはできません。ここで重要になるのがDNSの仕組みです。
専門用語解説:DNS (Domain Name System)
DNSは、インターネット上の「電話帳」や「住所録」に例えられます 14。人間にとっては覚えやすい「yamacatone.org」のようなドメイン名と、コンピュータが通信相手を特定するために使用する数値の羅列である「IPアドレス」(例: 123.45.67.89)とを相互に変換(この変換作業を「名前解決」と呼びます)するシステムです 14。私たちがブラウザにウェブサイトのドメイン名を入力すると、DNSがそのドメイン名に対応するIPアドレスを調べ、そのIPアドレスを持つサーバーに接続しにいく、という流れになっています。
専門用語解説:IPアドレス (Internet Protocol Address)
IPアドレスは、インターネットに接続されたコンピュータやサーバーなどの機器に割り当てられる、固有の数値の識別子です 14。インターネットの世界における「住所」のようなもので、これにより特定のサーバーにデータを送受信することができます。
専門用語解説:ドメイン名 (Domain Name)
ドメイン名は、IPアドレスに紐付けられた、人間が理解しやすく覚えやすい名前のことです 14。例えば、https://yamacatone.org/ というURLの場合、「yamacatone.org」の部分がドメイン名にあたります。このドメイン名は世界中で一意であり、同じものは存在しません。
3.3. Route 53 のホストゾーンと主要なDNSレコード
Route 53でドメインを登録すると、通常はそのドメインのための「ホストゾーン」が自動的に作成されます。このホストゾーン内で、DNSレコードを設定していくことになります。
専門用語解説:ホストゾーン (Hosted Zone)
ホストゾーンとは、特定のドメイン(この場合は yamacatone.org)に関するDNSレコードの情報をまとめて管理するための「コンテナ」や「設定ファイル」のようなものです 16。Route 53では、このホストゾーンを通じて、ドメイン名へのアクセスをどのIPアドレスに向けるかなどを制御します。17では「特定のドメイン名に関連するDNS情報をしまっておく『箱』のようなもの」と分かりやすく説明されています。
専門用語解説:Aレコード (Address Record)
Aレコードは、ドメイン名またはサブドメイン名を、IPv4形式のIPアドレスに対応付けるための最も基本的なDNSレコードです 13。例えば、「yamacatone.org というドメイン名にアクセスがあったら、123.45.67.89 というIPアドレスのサーバーにつないでください」という指示を出すのがAレコードの役割です。後ほど、Lightsailで作成するWordPressインスタンスのIPアドレスを、このAレコードに設定します。
専門用語解説:NSレコード (Name Server Record)
NSレコードは、そのドメインのDNS情報(ホストゾーンの内容)を管理しているネームサーバーを指定するためのレコードです 14。Route 53でドメインを登録・管理する場合、Route 53が提供する複数のネームサーバーが自動的にNSレコードとして設定されます。これらのネームサーバーが、インターネットからの問い合わせに対して、あなたのドメインのIPアドレスなどを応答します。
専門用語解説:CNAMEレコード (Canonical Name Record)
CNAMEレコードは、あるドメイン名(エイリアス、別名)を、別の正規のドメイン名(Canonical Name)に対応付けるためのレコードです 17。例えば、「www.yamacatone.org」へのアクセスを、実際には「yamacatone.org」と同じサーバーに向けたい場合などに利用されます。
ドメイン名を取得しただけでは、まだあなたのブログサイトには誰もたどり着けません。なぜなら、そのドメイン名がインターネット上のどこを指し示すのか、まだ指示されていないからです。ここで登場するのがDNSレコードです。特にAレコードは、あなたのドメイン名(例: yamacatone.org
)と、あなたのブログが実際に置かれているサーバーのIPアドレスとを「結びつける」役割を果たします。この結びつけ作業を行って初めて、訪問者がブラウザにあなたのドメイン名を入力したときに、正しくブログが表示されるようになるのです。このDNSレコードの設定は、インターネット上であなたのサイトを見つけてもらうための、いわば「道しるべ」を立てる作業であり、技術的に不可欠なステップです。
Table 2: 主要DNSレコードタイプとその役割
レコードタイプ | 役割 | 設定例 (yamacatone.org の場合) |
A | ドメイン名またはサブドメイン名をIPv4アドレスに紐付けます。 | yamacatone.org → (Lightsailインスタンスの静的IPアドレス) <br> www.yamacatone.org → (Lightsailインスタンスの静的IPアドレス) |
AAAA | ドメイン名またはサブドメイン名をIPv6アドレスに紐付けます。 | (今回は主にIPv4を利用するため参考として。LightsailでIPv6を有効化した場合に設定) |
CNAME | ドメイン名を別のドメイン名(正規名)に紐付けます(エイリアスを作成します)。 | www.yamacatone.org → yamacatone.org (Aレコードでwwwを設定する代わりの方法) |
NS | そのドメインのDNS情報を管理する権威DNSサーバーを指定します。 | Route 53でドメインを登録すると自動的に4つ程度のネームサーバーが設定されます。 (例: ns-XXX.awsdns-YY.com ) |
MX | そのドメイン宛のメールを配送するメールサーバーを指定します。 | (ブログ初期設定では直接必要ありませんが、将来的に独自ドメインのメールアドレスを利用する場合に設定します) |
SOA | ホストゾーンの管理情報(管理者のメールアドレス、更新間隔など)を定義します。 | Route 53でホストゾーンが作成されると自動的に設定されます。 |
この表で、ブログ設定に直接関連するのは主にAレコード(および場合によってはCNAMEレコード)とNSレコードです。NSレコードとSOAレコードはRoute 53が自動で適切に設定してくれるため、ユーザーが直接編集することは稀です。
4. ステップ3:Amazon LightsailでWordPress環境を構築
ドメイン名を取得したら、次はそのドメイン名で表示するWordPressブログ本体を設置するサーバー環境を準備します。AWSには様々なサーバーサービスがありますが、初心者の方には「Amazon Lightsail」が特におすすめです。
4.1. なぜLightsail? 初心者向けWordPressホスティングのメリット
Amazon Lightsailは、仮想プライベートサーバー(VPS)を簡単かつ手頃な価格で利用開始できるサービスです。AWSの他の強力なサービス(EC2、S3、RDSなど)の複雑さをある程度隠蔽し、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーキング、DNS管理といった必要な機能をパッケージ化して提供してくれるため、特に初心者にとって扱いやすいのが特徴です 20。
Lightsailの主なメリット:
- 手軽さ・シンプルさ: AWSの代表的なサーバーサービスであるAmazon EC2と比較して、Lightsailは設定項目が少なく、数クリックでサーバーを立ち上げることができます 20。サーバー構築に必要な専門知識が少なくても、直感的に操作できるため、初心者でも導入のハードルが格段に低いです。
- 固定料金プラン: AWSの多くのサービスは使った分だけ課金される「従量課金制」ですが、Lightsailは月額固定料金のプランが中心です 20。これにより、毎月の運営費用を予測しやすく、「気づいたら高額な請求が来ていた」といった事態を避けやすいため、予算管理が苦手な初心者でも安心して利用できます。
- WordPressの簡単インストール: Lightsailでは、「ブループリント」と呼ばれるOSやアプリケーションがプリインストールされたイメージを選択できます。WordPressもブループリントとして用意されており、これを選択するだけで、WordPressがインストール済みのサーバー環境を簡単に構築できます 20。面倒なインストール作業や関連ソフトウェアの導入に頭を悩ます必要がありません。
- 将来的なEC2への移行も可能: もしブログが大きく成長し、より高度なカスタマイズや大規模なアクセスに対応する必要が出てきた場合、LightsailからEC2へ環境を移行することも可能です 20。最初はLightsailで手軽に始め、将来的なステップアップも視野に入れられるのは大きな利点です。
4.2. LightsailでWordPressインスタンスを作成する
それでは、実際にLightsailでWordPressが動作するサーバー(インスタンス)を作成しましょう。
手順の詳細解説:
- AWSマネジメントコンソールにIAMユーザーでログインします。
- 画面上部の検索バーに「Lightsail」と入力し、表示された「Lightsail」サービスを選択してLightsailのダッシュボード(ホームページ)を開きます。
- Lightsailのホームページで「インスタンスの作成」ボタンをクリックします 22。
- インスタンスロケーションの選択:
- ブログの主な読者が日本にいる場合、レイテンシ(応答速度)を考慮して、日本のリージョン(例: 東京
ap-northeast-1
)を選択します。 - アベイラビリティーゾーンは、同じリージョン内の複数の独立したデータセンター群です。通常はデフォルトのままで問題ありません。
- ブログの主な読者が日本にいる場合、レイテンシ(応答速度)を考慮して、日本のリージョン(例: 東京
- インスタンスイメージの選択:
- 「プラットフォームを選択」で「Linux/Unix」を選択します 22。
- 「ブループリントを選択」で「WordPress」を選択します 22。これにより、OS(通常はLinux)、Webサーバー(ApacheやNginx)、PHP、MySQL、そしてWordPress本体が自動的にインストールされます。
- (オプション) 起動スクリプトの追加: インスタンス初回起動時に実行したいコマンドがあれば設定できますが、今回は不要です。
- (オプション) SSHキーペアの変更: デフォルトのキーペアが使用されます。独自のキーペアを使用したい場合はここで変更できますが、今回はデフォルトのままで進めます。ブラウザベースのSSH接続機能を使えば、キーペアを直接管理する必要はあまりありません。
- インスタンスプランの選択:
- Lightsailには、メモリ (RAM)、CPUコア数 (vCPU)、SSDストレージ容量、月間データ転送量によって様々な料金プランが用意されています 23。
- 個人のブログを始める場合、最初は最も安価なプラン(例えば、月額$3.5や$5のプランなど。最新の料金とスペックはLightsailの画面で確認してください)から始めるのが良いでしょう 22。これらの低価格プランでも、小規模なブログであれば十分に動作します。
- 多くのLightsailプランには、最初の数ヶ月間無料になるトライアル期間が設定されている場合がありますので、利用できる場合は活用しましょう 22。
- ブログのアクセス数が増えてきたら、後から上位のプランに簡単に変更(スケールアップ)できます。
- インスタンスを確認:
- 「インスタンス名」を入力します。これは管理画面上でインスタンスを識別するための名前です(例:
yamacatone-wordpress
)。アカウント内で一意である必要があり、英数字、ピリオド、ダッシュ、アンダースコアが使用できます 23。
- 「インスタンス名」を入力します。これは管理画面上でインスタンスを識別するための名前です(例:
- 「インスタンスの作成」ボタンをクリックします。
- インスタンスの作成には数分かかります。ステータスが「保留中」から「実行中」に変われば作成完了です。
4.3. 静的IPアドレスの重要性と設定方法
Lightsailインスタンスを作成すると、デフォルトでパブリックIPアドレスが割り当てられますが、これは「動的IPアドレス」である可能性があります。ブログを独自ドメインで安定して運用するためには、「静的IPアドレス」を設定することが非常に重要です。
専門用語解説:静的IPアドレス (Static IP Address) vs 動的IPアドレス (Dynamic IP Address)
- 動的IPアドレス: インスタンスを停止して再起動したり、何らかの理由で再割り当てが行われたりすると、IPアドレスが変わってしまう可能性があります 24。
- 静的IPアドレス: 一度インスタンスに割り当てると、そのインスタンスを削除するか、静的IPアドレス自体を解放するまで、IPアドレスが固定されます 24。
なぜ静的IPアドレスが必要か:
ステップ2で取得した独自ドメイン「yamacatone.org」を、このLightsailインスタンス(つまりWordPressブログ)に紐付けるためには、DNS設定でドメイン名とIPアドレスを対応させます。もしIPアドレスが動的で、再起動のたびに変わってしまうと、せっかく設定したDNSの紐付けが無効になり、ドメイン名でブログにアクセスできなくなってしまいます 22。これでは訪問者がブログを見つけられません。
静的IPアドレスを取得し、インスタンスにアタッチ(割り当て)することで、IPアドレスが固定され、DNS設定が常に正しく機能するようになります。これは、あなたのブログがインターネット上で持つ「変わらない住所」を提供するようなもので、独自ドメインで安定してブログを運営するための技術的な必須要件と言えます。
手順の詳細解説:
- Lightsailのダッシュボードで、先ほど作成したWordPressインスタンス(例:
yamacatone-wordpress
)の名前をクリックして、インスタンスの管理画面を開きます。 - 管理画面の上部にある「ネットワーキング」タブを選択します 22。
- 「パブリック IP」セクションにある「静的IPをアタッチする」(または、まだ静的IPを作成していない場合は「静的IPを作成」)のリンクまたはボタンをクリックします 22。
- 静的IPの作成とアタッチ:
- 静的IPに名前を付けます(例:
yamacatone-static-ip
)。これは管理用の名前です。 - アタッチするインスタンスとして、作成したWordPressインスタンスが選択されていることを確認します。
- 「作成してアタッチ」(または「作成」)ボタンをクリックします 24。
- 静的IPに名前を付けます(例:
- 数秒待つと、静的IPアドレスが作成され、インスタンスにアタッチされます。インスタンス管理画面の「ネットワーキング」タブで、パブリックIPアドレスの横に青いピンのアイコンが表示されれば、静的IPアドレスが正常に割り当てられていることを示します 24。この表示された静的IPアドレスを控えておいてください。後のDNS設定で使用します。
注意点: Lightsailの静的IPアドレスは、インスタンスにアタッチされている間はプラン料金に含まれるか無料ですが、インスタンスにアタッチされていない状態で保持していると、小額ですが料金が発生する場合があります。作成したら速やかにインスタンスにアタッチしましょう。
4.4. WordPressの管理者情報を確認する
LightsailのWordPressブループリントでインスタンスを作成すると、WordPressの管理者ユーザー名と初期パスワードが自動的に設定されます。これを確認する必要があります。
手順の詳細解説:
- Lightsailのインスタンス管理画面(WordPressインスタンスを選択した状態)を開きます。
- 「接続」タブを選択します。
- 「SSHを使用して接続」ボタンをクリックします 23。ブラウザ内でターミナルウィンドウが開きます。
- ターミナルが接続されると、コマンドプロンプト(例:
bitnami@ip-XXX-XXX-XXX-XXX:~$
)が表示されます。 - 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
cat bitnami_application_password
または、環境によっては以下のコマンドの場合もあります。cat /home/bitnami/bitnami_application_password
26 - コマンドを実行すると、画面にWordPressの初期管理者パスワードが表示されます。このパスワードをコピーして、安全な場所に控えておいてください 26。
- WordPressの初期管理者ユーザー名は、通常「
user
」です 26。
注意点:
ここで確認したパスワードは初期パスワードです。セキュリティのため、後ほどWordPressに初めてログインした際に、必ずより強力な独自のパスワードに変更してください。
5. ステップ4:ドメインとWordPressを接続
LightsailでWordPress環境を準備し、静的IPアドレスも取得できました。次はいよいよ、ステップ2で取得した独自ドメイン「yamacatone.org
」と、このWordPressインスタンスを結びつける作業、DNSレコードの設定です。
5.1. Route 53 でDNSレコードを設定する
前提:
- 独自ドメイン「
yamacatone.org
」がRoute 53で登録済みであること。 - LightsailのWordPressインスタンスに静的IPアドレスがアタッチされており、そのIPアドレスを控えてあること。
手順の詳細解説:
- AWSマネジメントコンソールにIAMユーザーでログインします。
- 画面上部の検索バーに「Route 53」と入力し、Route 53サービスを選択します。
- Route 53ダッシュボードの左側のナビゲーションペインから「ホストゾーン」を選択します。
- ホストゾーンのリストの中に、ドメイン登録時に自動作成された「
yamacatone.org
」という名前のホストゾーンがあるはずです。このホストゾーン名をクリックします。 - ホストゾーンの詳細画面が表示されます。ここには既にNSレコードとSOAレコードが自動的に設定されています。これらは編集する必要はありません。
- 「レコードを作成」ボタン(または「シンプルなレコードを定義」などのウィザード形式の場合もあります)をクリックします 13。
- Aレコード(ルートドメイン用
yamacatone.org
)の作成:- レコード名: 空白のままにします。これにより、
yamacatone.org
(サブドメインなしのルートドメイン)に対する設定となります。コンソールによっては@
を入力する場合もあります。 - レコードタイプ: ドロップダウンリストから「
A – IPv4 アドレスにトラフィックをルーティングします
」を選択します 13。 - 値/トラフィックのルーティング先: テキストボックスに、ステップ4.3で控えたLightsailインスタンスの静的IPアドレスを入力します(例:
12.34.56.78
)。 - TTL (秒): Time To Liveの略で、DNSリゾルバがこのレコード情報をキャッシュする時間です。デフォルト値(通常300秒など)のままで構いません。
- 「レコードを作成」ボタンをクリックします。
- レコード名: 空白のままにします。これにより、
- Aレコード(
www
サブドメイン用www.yamacatone.org
)の作成: 多くのウェブサイトでは、example.com
とwww.example.com
の両方でアクセスできるように設定されています。同様の設定を行いましょう。- 再度「レコードを作成」ボタンをクリックします。
- レコード名: 「
www
」と入力します。これにより、www.yamacatone.org
に対する設定となります。 - レコードタイプ: 「
A – IPv4 アドレスにトラフィックをルーティングします
」を選択します。 - 値/トラフィックのルーティング先: ルートドメインと同様に、Lightsailインスタンスの静的IPアドレスを入力します。
- TTL (秒): デフォルト値のままで構いません。
- 「レコードを作成」ボタンをクリックします。
- 代替案 (CNAMEレコード):
www
サブドメインに対してAレコードを設定する代わりに、CNAMEレコードを使用することも可能です。その場合、レコードタイプを「CNAME – 正規名にトラフィックをルーティングします」とし、値に「yamacatone.org
」と入力します。これにより、www.yamacatone.org
はyamacatone.org
の別名として扱われ、yamacatone.org
が指すIPアドレス(つまりLightsailの静的IP)に解決されます。どちらの方法でも結果はほぼ同じですが、Aレコードで直接IPを指定する方がシンプルかもしれません。
これで、yamacatone.org
と www.yamacatone.org
の両方が、あなたのLightsail WordPressインスタンスを指すようにDNS設定が完了しました。
5.2. DNS設定の反映確認
DNSレコードの設定変更がインターネット全体に反映される(この現象を「DNSプロパゲーション」と呼びます)には、少し時間がかかる場合があります。通常は数分から1時間程度で反映されますが、環境によっては最大で24時間から48時間程度かかることもあります 22。
解説:
あなたがRoute 53で行ったDNSレコードの変更情報は、まずRoute 53のネームサーバーに保存されます。その後、世界中にある無数のDNSキャッシュサーバーが、古い情報を新しい情報に順次更新していくため、全てのサーバーに新しい情報が行き渡るまでには時間差が生じます。これがDNSプロパゲーションです。
初心者の場合、設定直後にドメイン名でアクセスできないと「設定を間違えたのではないか?」と不安になりがちです。しかし、多くの場合、単にこのプロパゲーションに時間がかかっているだけです。
確認方法:
- DNSレコードを設定してから、少なくとも10分~1時間程度待ちます。
- ウェブブラウザを開き、アドレスバーに
http://yamacatone.org
と入力してアクセスしてみます。Lightsailで作成したWordPressの初期画面(多くは"Hello world!"のようなテスト投稿が表示されるか、WordPressのセットアップ画面)が表示されれば成功です。 - 同様に、
http://www.yamacatone.org
でもアクセスできるか確認します。
もしすぐに表示されなくても焦らず、しばらく時間をおいてから再度確認してみてください。それでも長時間(例えば24時間以上)アクセスできない場合は、設定を見直す必要があります。
6. ステップ5:WordPressの初期設定とテーマ選択
ドメインとサーバーが結びついたら、いよいよWordPress自体の設定と、ブログの見た目を決めるテーマの選択です。
6.1. WordPress管理画面へのアクセスと基本設定
アクセス方法:
ウェブブラウザで、あなたのドメイン名に /wp-admin を追加したURL(例: http://yamacatone.org/wp-admin)にアクセスします。または、Lightsailの静的IPアドレスに /wp-admin を追加したURL(例: http://[あなたの静的IPアドレス]/wp-admin)でもアクセスできます 23。
ログイン画面が表示されたら、ステップ4.4で確認したWordPressの管理者ユーザー名(通常は user)と初期パスワードを入力してログインします。
ダッシュボードの簡単な紹介:
ログインすると、WordPressの管理画面である「ダッシュボード」が表示されます。左側には主要なメニューが並んでいます。
- 投稿: ブログ記事を作成・編集・管理します。
- メディア: 画像や動画などのファイルをアップロード・管理します。
- 固定ページ: 「お問い合わせ」や「プライバシーポリシー」など、ブログ記事とは別に独立したページを作成・管理します。
- 外観: テーマの選択やカスタマイズ、ウィジェット(サイドバーなどのパーツ)の設定を行います。
- プラグイン: WordPressの機能を拡張するための追加プログラムを管理します。
- ユーザー: サイトのユーザー(管理者、編集者、投稿者など)を管理します。
- 設定: サイトの基本的な設定(サイト名、URL、表示設定、ディスカッション設定など)を行います。
サイトの基本情報設定 28:
まず、サイトの基本的な情報を設定しましょう。ダッシュボードの左側メニューから「設定」>「一般」を選択します。
- サイトのタイトル: あなたのブログのタイトルを入力します(例:
ヤマカトネのブログ
)。これはブラウザのタブや検索結果にも表示される重要な要素です。 - キャッチフレーズ: ブログの簡単な説明やテーマを入力します(例:
猫とAWSと日常の記録
)。サイトのタイトルと共に表示されることがあります。 - WordPressアドレス (URL) と サイトアドレス (URL): 通常、これらは自動的にあなたのドメイン名(例:
http://yamacatone.org
)が設定されています。現時点ではそのままで問題ありません。将来的にHTTPS化(後述)する際に変更が必要になる場合があります。 - 管理者メールアドレス: WordPressからの通知(コメント通知、更新情報など)が送信されるメールアドレスです。確実に受信できるアドレスが設定されているか確認し、必要であれば変更します。
- サイトの言語: 「日本語」が選択されていることを確認します。
- タイムゾーン: 日本の時間を正しく表示するために、「東京」または「UTC+9」を選択します 29。
- 日付フォーマット と 時刻フォーマット: 記事の投稿日時などの表示形式を好みのものに設定します。 すべての設定が終わったら、ページ下部の「変更を保存」ボタンをクリックします。
パーマリンク設定 (SEOに配慮) 28:
パーマリンクとは、個々のブログ記事や固定ページのURL(ウェブアドレス)の形式のことです。分かりやすく、検索エンジンにも好まれる(SEOフレンドリーな)パーマリンク構造に設定することが推奨されます。
- ダッシュボードの左側メニューから「設定」>「パーマリンク設定」を選択します。
- 専門用語解説:パーマリンク: "Permanent Link"(恒久的なリンク)の略で、各コンテンツ固有のURLを指します。この設定は、ユーザーがURLを見て内容を推測しやすくしたり、検索エンジンがサイトの構造を理解しやすくしたりする上で重要です。
- 推奨設定: 一般的には「投稿名」を選択するのがシンプルで分かりやすいです。これを選択すると、記事のURLは
http://yamacatone.org/sample-post/
のような形式になります(sample-post
の部分は記事作成時に編集可能)。または、「カスタム構造」を選択し、入力フィールドに/%postname%/
と入力しても同様の効果が得られます 31。 - 記事のURL(スラッグと呼ばれる部分)を実際に設定する際には、半角英数字を使用し、単語と単語の間はハイフン「
-
」でつなぎ、内容が推測できるシンプルで分かりやすいものにすることが推奨されます 28。 - 注意点: パーマリンク設定は、ブログに記事を投稿し始める前に設定することが非常に重要です 28。運営開始後にパーマリンク構造を変更すると、既存記事のURLが全て変わってしまい、外部からのリンクが無効になったり、検索エンジンの評価がリセットされたりするなどの悪影響が出る可能性があります。
- 設定を選択したら、ページ下部の「変更を保存」ボタンをクリックします。
6.2. 人気WordPressテーマの紹介:日本語情報が豊富なテーマ
WordPressの大きな魅力の一つは、豊富な「テーマ」によってサイトのデザインや機能を簡単に変更できる点です。ここでは、特に人気があり、日本語の解説情報も充実しているテーマを2つ紹介します。
テーマ選定のポイント:
テーマを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- デザイン: あなたのブログのコンセプトや好みに合ったデザインか。
- カスタマイズ性: 色やレイアウトなどをどの程度自由に調整できるか。
- 機能性: ブログに必要な機能(例: SNS連携、関連記事表示、広告配置など)が備わっているか、またはプラグインで補いやすいか。
- 表示速度: サイトの読み込み速度はユーザー体験やSEOに影響します。軽量で高速なテーマが望ましいです。
- SEO対策: 検索エンジンに最適化された構造になっているか。
- 日本語ドキュメント・サポート: 初心者の場合、日本語での解説記事やサポートフォーラムが充実していると、問題が発生した際に解決しやすくなります。
- 価格: 無料で使えるテーマもあれば、高機能な有料テーマもあります。
テーマ1:Cocoon(コクーン) (無料)
Cocoonは、日本人開発者によって作成された、非常に人気のある無料WordPressテーマです。
- 特徴と機能 32:
- 完全無料でありながら高機能: 無料とは思えないほど多くの機能が搭載されており、初心者から上級者まで幅広く支持されています 34。
- シンプルでカスタマイズしやすいデザイン: 基本デザインはシンプルで、どんなジャンルのブログにも合わせやすいです。100種類以上の「スキン」機能を使えば、専門知識がなくてもクリック一つでサイト全体のデザインをガラッと変更できます 33。
- 内部SEO対策済み・レスポンシブ対応・表示速度最適化: 検索エンジンに評価されやすい構造になっており、スマートフォンやタブレットなど様々なデバイスで快適に閲覧できるレスポンシブデザインに対応しています。また、表示速度の高速化にも配慮されています 34。
- ブログ収益化機能が豊富: Google AdSenseなどの広告を簡単に設置・管理できる機能や、アフィリエイトに役立つ機能が充実しています 33。
- 日本語情報・サポートが充実: 日本人開発者のため、公式サイトのドキュメントやユーザーフォーラムは全て日本語です。多くのユーザーがブログで使い方やカスタマイズ方法を発信しているため、情報を見つけやすいのも大きなメリットです 34。
- インストールと有効化手順 34:
- Cocoon公式サイト(「Cocoon WordPressテーマ」などで検索)にアクセスし、「ダウンロード」ページから「親テーマ」と「子テーマ」の両方のZIPファイルをダウンロードします。
- なぜ子テーマが必要?: WordPressでは、テーマのカスタマイズ内容を保持しつつ、テーマ本体のアップデートに対応するために「子テーマ」を利用するのが一般的です。親テーマを直接編集してしまうと、テーマのアップデート時にカスタマイズ内容が上書きされて消えてしまう可能性があります。子テーマを有効化してカスタマイズを行えば、親テーマがアップデートされても影響を受けません。
- WordPress管理画面の左側メニューから「外観」>「テーマ」を選択します。
- ページ上部の「新規追加」ボタンをクリックし、さらに「テーマのアップロード」ボタンをクリックします。
- 「ファイルを選択」ボタンを押し、先ほどダウンロードした親テーマのZIPファイル(例:
cocoon-master.zip
)を選択し、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。インストールが完了するまで待ちます。 - インストールが完了したら、「テーマページへ移動」をクリックします(まだ有効化はしません)。
- 再度「新規追加」>「テーマのアップロード」の手順で、今度は子テーマのZIPファイル(例:
cocoon-child-master.zip
)を選択し、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。 - 子テーマのインストールが完了したら、「有効化」ボタンをクリックします。 これで、Cocoonの子テーマが有効になり、サイトに適用されます。
- Cocoon公式サイト(「Cocoon WordPressテーマ」などで検索)にアクセスし、「ダウンロード」ページから「親テーマ」と「子テーマ」の両方のZIPファイルをダウンロードします。
- 基本的なカスタマイズ方法とブログでの活用例 34:
- WordPress管理画面の左側メニューに「Cocoon設定」という項目が追加されます。ここから、スキンの選択、ヘッダーロゴや背景画像の設定、OGP(SNSでシェアされた際の表示設定)の設定、記事下に関連記事を表示する設定など、多岐にわたるカスタマイズが可能です。
- 記事作成時には、Cocoon独自の装飾機能(吹き出し、ボックス、タイムライン、アイコンなど)やショートコードを活用することで、見やすく魅力的なコンテンツを簡単に作成できます。
- 広告の設置も「Cocoon設定」から簡単に行え、表示位置なども細かく調整できます。
テーマ2:SWELL(スウェル) (有料)
SWELLは、近年非常に人気が高まっている有料のWordPressテーマです。洗練されたデザインと高い機能性、そして何よりもブロックエディタ(Gutenberg)の使いやすさに定評があります。
- 特徴と機能 23:
- シンプルで美しいデザインと高いカスタマイズ性: プロが作ったようなモダンでおしゃれなデザインが特徴です。HTMLやCSSの専門知識がなくても、直感的な操作で本格的なサイトデザインを実現できます 35。
- ブロックエディタ(Gutenberg)に完全対応: WordPressの標準エディタであるブロックエディタの機能を最大限に活かせるよう設計されており、SWELL独自の高機能なカスタムブロックが多数搭載されています。記事作成が非常にスムーズかつ表現豊かに行えます 35。
- 表示速度が非常に速い: サイトの読み込み速度はトップクラスで、ユーザー体験の向上やSEOにも有利です 35。
- 買い切り型で複数サイトに利用可能: 一度購入すれば、追加料金なしで永続的に利用でき、自身が所有する複数のサイトに適用できます 35。
- アップデート頻度が高く、サポートも充実: 機能改善やWordPress本体への対応など、開発者によるアップデートが頻繁に行われています。購入者専用のサポートフォーラムも活発で、疑問点を解決しやすい環境です 36。
- 他テーマからの乗り換えサポートプラグイン: 特定の人気テーマ(Cocoon、JIN、SANGOなど)からSWELLへ移行する際に、デザイン崩れを最小限に抑えるための専用プラグインが用意されています 36。
- インストールと有効化手順(親テーマ・子テーマ) 38:
- SWELL公式サイトでテーマを購入します。購入後、会員サイト「SWELLERS'」に登録し、マイページから「親テーマ」と「子テーマ」のZIPファイルをダウンロードします。
- WordPress管理画面の左側メニューから「外観」>「テーマ」を選択します。
- ページ上部の「新規追加」ボタンをクリックし、さらに「テーマのアップロード」ボタンをクリックします。
- 「ファイルを選択」ボタンを押し、ダウンロードしたSWELLの親テーマのZIPファイル(例:
swell.zip
)を選択し、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。 - インストールが完了したら、「テーマページへ移動」をクリックします。
- 再度「新規追加」>「テーマのアップロード」の手順で、SWELLの子テーマのZIPファイル(例:
swell_child.zip
)を選択し、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。 - 子テーマのインストールが完了したら、「有効化」ボタンをクリックします。
- 基本的なカスタマイズ方法とブログでの活用例 35:
- WordPressの「カスタマイザー」(「外観」>「カスタマイズ」)から、サイト全体のフォント、基本カラー、ヘッダーやフッターのデザイン、記事一覧のレイアウトなど、非常に多くの項目をプレビューを見ながら直感的に設定できます。
- 記事作成時には、SWELL独自の豊富なカスタムブロック(例: リッチカラム、ふきだしブロック、Q&Aブロック、ステップブロック、広告タグブロック、ブログパーツ呼び出しなど)を最大限に活用することで、コーディング知識なしにプロフェッショナルな見た目のコンテンツを作成できます。
- トップページ専用のウィジェットエリアや機能(ピックアップバナー、記事スライダー、タブ付き投稿リストなど)を使って、ブログだけでなく、情報サイトのような凝ったトップページを構築することも可能です。
Cocoon(無料)とSWELL(有料)は、どちらも日本語ユーザーの初心者にとって優れた選択肢ですが、それぞれ異なる強みを持っています。Cocoonは、まずコストを抑えつつWordPressの基本機能やブログ運営に慣れたい、高機能な無料テーマを探しているユーザーに適しています。一方、SWELLは、初期投資をしても最高の執筆体験とデザイン性を手に入れたい、長期的に本格的なブログ運営を目指すユーザーに適しています。どちらのテーマも日本語の情報が非常に豊富なので、使い方で困ることは少ないでしょう。ご自身の予算やブログ運営で重視するポイント(無料か、最高の使い勝手かなど)を考慮して、最適なテーマを選んでください。
Table 3: WordPressテーマ「Cocoon」と「SWELL」の比較
特徴 | Cocoon | SWELL |
価格 | 無料 | 有料 (例: 17,600円 税込、買い切り) |
主な強み | 無料で高機能、SEOに強い、シンプルなカスタマイズ、スキン機能が豊富 | 最新ブロックエディタへの完全対応、デザイン性と使いやすさの両立、高速表示、豊富なカスタムブロック |
日本語情報/サポート | 非常に豊富(開発者公式サイト、ユーザーブログ多数) | 非常に豊富(公式サイト、購入者限定フォーラム、ユーザーブログ多数) |
初心者おすすめ度 | ◎ (特にコストを抑えたい、まず試してみたい場合) | ◎ (最高の執筆体験とデザイン性を求める、長期的に本格運営したい場合) |
カスタマイズ性 | 高い(Cocoon設定、スキン、CSSでの追加カスタマイズも可能) | 非常に高い(WordPressカスタマイザー、SWELL独自の詳細設定、ノーコードでのデザイン調整、豊富なカスタムブロック) |
表示速度 | 速い(高速化機能搭載) | 非常に速い(トップクラスの表示速度) |
子テーマ | 提供あり・利用推奨 | 提供あり・利用推奨 |
ブロックエディタ対応 | 対応(標準ブロック中心、一部独自機能あり) | 完全対応(SWELL独自の高機能カスタムブロック多数) |
こんな人におすすめ | 無料で始めたい、機能が豊富なテーマが良い、シンプルなデザインが好き、広告収益も考えたい | 最高の執筆環境が欲しい、デザインにこだわりたい、表示速度を重視する、ブロックエディタを使いこなしたい、初期投資OK |
この比較表を参考に、あなたのブログ「yamacatone.org」に最適なテーマを選んでください。
7. ステップ6:WordPressの運用とメンテナンス
WordPressブログを立ち上げた後も、安全かつ快適に運営を続けるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。その中でも特に重要なのが、WordPress本体、テーマ、プラグインのアップデートです。
7.1. WordPressアップデートの重要性
専門用語解説:WordPressアップデート(コア、テーマ、プラグイン)
WordPressは、以下の3つの主要な構成要素から成り立っており、それぞれに対して開発者から更新プログラム(アップデート)が提供されます。
- WordPressコア: WordPressシステム本体のこと。
- テーマ: サイトのデザインやレイアウトを決定するもの。
- プラグイン: WordPressに特定の機能を追加するための拡張プログラム。
これらのアップデートには、新機能の追加、バグの修正、そして最も重要なセキュリティ脆弱性の修正が含まれています。
なぜアップデートが必要か 39:
- セキュリティの強化 (最重要): これがアップデートを行う最大の理由です。WordPressは世界で最も広く利用されているCMS(コンテンツ管理システム)であるため、残念ながら悪意のある攻撃者の標的にもなりやすいという側面があります。ソフトウェアには時としてセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が見つかることがあり、攻撃者はこの脆弱性を悪用してサイトを改ざんしたり、情報を盗み出したり、マルウェアを仕込んだりします。開発者は脆弱性が発見され次第、それを修正するためのアップデートをリリースします。アップデートを適用することで、これらの既知のセキュリティリスクからサイトを守ることができます 39。
- 互換性の維持: WordPressコアがバージョンアップすると、テーマやプラグインも新しいコアとの互換性を保つために更新が必要になることがあります。古いバージョンのまま放置すると、サイトの表示が崩れたり、一部機能が正常に動作しなくなったりする可能性があります 39。
- 新機能の利用とパフォーマンス改善: アップデートによって、新しい便利な機能が追加されたり、既存機能の使い勝手が向上したり、サイト全体のパフォーマンス(表示速度など)が改善されたりすることがあります 39。
古いソフトウェアのセキュリティリスク:
アップデートを怠り、WordPressコア、テーマ、プラグインを古いバージョンのまま使い続けることは、非常に危険です。なぜなら、古いバージョンに存在する既知の脆弱性は、攻撃者にとっては格好の攻撃材料となるからです 39。攻撃者は自動化されたツールを使って、脆弱性を持つサイトを常に探し回っています。アップデートを適用しないということは、いわば「家の鍵を開けっ放しにしておく」ようなもので、いつ侵入されてもおかしくない状態にサイトを晒すことになります。
サイトのセキュリティと安定性を維持するためには、これらのアップデートを「定期的かつ継続的に」行う必要があります。これはサイトを公開した後もずっと続く、重要な運用作業の一つです。「一度作ったら終わり」ではなく、「作ってからが始まり」であり、その運用の一部としてアップデートが不可欠であることを理解しておく必要があります。
7.2. WordPressダッシュボードからの更新方法
幸いなことに、WordPressのアップデート作業は、多くの場合ダッシュボードから簡単に行うことができます。
手順の詳細解説 39:
- WordPress管理画面(ダッシュボード)にログインします。
- 利用可能なアップデートがある場合、ダッシュボードの上部にあるツールバーや、左側メニューの「更新」の横に、アップデート数を知らせる通知(赤い丸に数字)が表示されます。
- 左側メニューの「ダッシュボード」>「更新」をクリックします。または、ツールバーの更新アイコン(円形の矢印)をクリックしても同じページに移動できます。
- 「WordPressの更新」ページには、現在利用可能なアップデートの一覧が表示されます。
- WordPress本体の新しいバージョン
- インストール済みのプラグインの新しいバージョン
- インストール済みのテーマの新しいバージョン
- 更新の実行:
- WordPress本体の更新: 「WordPress の最新バージョンをインストール」または「今すぐ更新」といったボタンが表示されていれば、それをクリックします。
- プラグインの更新: 更新したいプラグインにチェックを入れ、「プラグインを更新」ボタンをクリックします 40。
- テーマの更新: 更新したいテーマにチェックを入れ、「テーマを更新」ボタンをクリックします 40。
- 更新処理が自動的に行われ、完了するとメッセージが表示されます。
更新前の注意点:
- 必ずバックアップを取る: 重要な更新(特にWordPress本体のメジャーアップデートや、大幅なテーマのバージョンアップなど)を行う前には、必ずサイト全体のバックアップを取得してください39。万が一、アップデートによってサイトに不具合が発生した場合でも、バックアップがあれば元の状態に復元できます。
- AWS Lightsailを利用している場合、インスタンスの管理画面から簡単に「スナップショット」を作成できます。スナップショットは、その時点でのインスタンス全体のバックアップとして機能します。アップデート前にはスナップショットを作成する習慣をつけましょう。
- 更新内容の確認: 可能であれば、テーマやプラグインの更新内容(チェンジログなど)に目を通し、どのような変更が行われるのかを把握しておくと良いでしょう。
- アクセスの少ない時間帯に: 大規模な更新は、サイトへのアクセスが少ない時間帯に行うのが望ましいです。
アップデートは、サイトを健全な状態に保つための基本的な作業です。定期的にダッシュボードを確認し、通知があれば速やかに、かつ慎重に(バックアップを取った上で)対応するようにしましょう。
8. まとめと次のステップ
8.1. ここまでの作業の振り返り
このガイドでは、AWSアカウントの作成と厳重なセキュリティ初期設定から始まり、Amazon Route 53での独自ドメイン「yamacatone.org
」の取得、そしてAmazon Lightsailを利用したWordPressブログ環境の構築とドメイン接続、さらにWordPressの初期設定と人気テーマ(CocoonまたはSWELL)の導入まで、一連のステップを詳細に解説してきました。
ここまでの作業を無事に終えられたなら、あなたの独自ドメイン「http://yamacatone.org
」でアクセスできる、基本的なWordPressブログがインターネット上に公開されているはずです。おめでとうございます!これは、ブログ運営という新たな冒険の、大きな第一歩です。
8.2. ブログ運営開始後のさらなるステップ
ブログを立ち上げた後も、やるべきこと、学べることはたくさんあります。以下に、今後のブログ運営で考慮すべきいくつかのポイントを挙げます。
- コンテンツ作成: 何よりもまず、あなたのブログの「魂」となる記事を作成し、発信していきましょう。読者にとって価値のある、魅力的なコンテンツ作りがブログ成功の鍵です。
- SEO対策の学習と実践: Googleなどの検索エンジンであなたのブログがより多くの人に見つけてもらえるように、SEO(Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化)の基本的な知識を学び、実践していくことが重要です。これには、適切なキーワードの選定、質の高いコンテンツの作成、サイト内部のリンク構造の整備などが含まれます。
- バックアップ戦略の確立: ステップ7.2でも触れましたが、定期的なバックアップは非常に重要です。Lightsailのスナップショット機能を活用し、例えば週に一度、あるいは重要な記事を公開する前など、自分なりのルールでバックアップを取得する習慣をつけましょう。
- セキュリティ対策の継続: WordPressのパスワードは定期的に変更し、推測されにくい複雑なものに設定しましょう。使用していないプラグインやテーマは、セキュリティリスクを減らすために削除します。必要に応じて、セキュリティ対策用のプラグイン(例: Wordfence Security, SiteGuard WP Pluginなど)の導入も検討すると良いでしょう。
- HTTPS化(SSL/TLS証明書の設定): 現在、あなたのブログは
http://
でアクセスできる状態ですが、セキュリティと信頼性の向上のため、https://
(暗号化通信)に対応させることが強く推奨されます。これは、読者のブラウザとあなたのサーバー間の通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぐためのものです。- Lightsailでは、Let's Encryptという無料のSSL/TLS証明書を利用して、比較的簡単にHTTPS化(SSL化とも呼ばれます)を行うことができます。Lightsailインスタンスのターミナルから
sudo /opt/bitnami/bncert-tool
というコマンドを実行することで、対話形式で証明書の設定とHTTPSへの自動リダイレクト設定が可能です 22。この手順については、別途詳細な情報を調べて実施してください。
- Lightsailでは、Let's Encryptという無料のSSL/TLS証明書を利用して、比較的簡単にHTTPS化(SSL化とも呼ばれます)を行うことができます。Lightsailインスタンスのターミナルから
- アクセス解析の導入: Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入することで、どのような読者が、どこから、どのページを見に来ているのかといった貴重なデータを把握できます。これらのデータを分析することで、ブログの改善点を見つけたり、人気のコンテンツを把握したりするのに役立ちます。
最後に
このガイドが、あなたがAWSとWordPressでブログ運営を始める上での確かな一歩となり、技術的な不安を少しでも取り除く助けとなれば幸いです。ブログ運営は、情報を発信する楽しさだけでなく、新しい技術や知識を学ぶ素晴らしい機会でもあります。
このガイドで基礎を築いた後は、ぜひご自身でさらに情報を集め、様々なことに挑戦してみてください。AWSやWordPressの世界は奥深く、探求すればするほど新しい発見があるはずです。
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