最新Webデザインの
トレンドと用語集 2025
Webデザインの世界は急速に進化しており、新しい技術やデザイントレンドが次々と登場しています。ここでは、2025年現在注目されている主要なトレンドと、知っておくべき関連用語について解説します。
1. AIとジェネレーティブデザイン
AI(人工知能)がデザインプロセスに深く関わるようになっています。単なるツールとしてだけでなく、デザインそのものを生成(ジェネレート)する役割を担い始めています。
トレンド
- AIによるレイアウトの自動最適化。
- ユーザーの行動履歴に基づいた、動的なコンテンツとデザインのパーソナライゼーション。
- テキストや指示からユニークな画像やテクスチャを生成し、デザインに活用する。
関連用語
- ジェネレーティブAI (Generative AI): テキスト、画像、コードなどを自動生成できるAI技術。Webデザインのビジュアル作成やコピーライティングに利用されます。
- パーソナライゼーション: ユーザーの属性や行動に合わせて、最適な情報やデザインを提供する手法。
- デザイン自動化: AIが配色、フォント選定、レイアウト調整などを自動で行うこと。
2. 没入型体験 (3DとVR/AR)
Webサイトはもはや平面的(2D)なものだけではありません。3DグラフィックスやVR(仮想現実)、AR(拡張現実)技術をWebブラウザ上で実現し、ユーザーに深い没入感を提供するサイトが増えています。
トレンド
- 製品を360度見られるインタラクティブな3Dモデルの導入。
- スクロールに合わせて3D空間が展開する、映画のような演出。
- WebARによる、現実空間にデジタル情報を重ね合わせる体験(例:家具の試し置き)。
関連用語
- WebGL (Web Graphics Library): Webブラウザ上で高度な3Dグラフィックスを描画するための標準技術。
- Three.js: WebGLを簡単に扱うためのJavaScriptライブラリ。3D表現のデファクトスタンダードとなっています。
- メタバース: インターネット上に構築された3次元の仮想空間。Webサイトがその入り口として機能することが期待されています。
3. 大胆なタイポグラフィと動的な表現
タイポグラフィ(文字のデザイン)は、単に「読む」ためだけでなく、「見せる」ための強力なビジュアル要素となっています。
トレンド
- 画面全体を覆うような、非常に大きなサイズのフォントの使用。
- セリフ体(明朝体)の復活。クラシックで高級感のある印象を与えます。
- 文字が動いたり、スクロールに反応したりする「キネティック・タイポグラフィ」。
関連用語
- キネティック・タイポグラフィ (Kinetic Typography): 「動く文字」を使ったデザイン手法。視覚的なインパクトを与え、メッセージを強調します。
- 可変フォント (Variable Fonts): 1つのフォントファイルで、太さ、幅、傾きなどを自由自在に変更できるフォント技術。デザインの自由度とパフォーマンス(読み込み速度)を両立できます。
4. 高度なアクセシビリティ (a11y)
すべてのユーザーが、障害の有無や年齢、利用環境に関わらず、Webサイトの情報を平等に利用できるようにするという考え方です。法律で義務化される国も増えており、デザインの必須要件となっています。
トレンド
- デザインの初期段階からアクセシビリティを考慮する「インクルーシブデザイン」。
- 十分な色のコントラスト比の確保。
- キーボード操作のみですべての機能が利用できるようにする設計。
関連用語
- a11y (Accessibility): “Accessibility”(アクセシビリティ)の略語。”A”と”y”の間に11文字あることから来ています。
- WCAG (Web Content Accessibility Guidelines): Webアクセシビリティに関する国際的なガイドライン。
- ARIA (Accessible Rich Internet Applications): Webアプリケーションのアクセシビリティを高めるための技術仕様。特に複雑なUI(タブ、スライダーなど)で重要です。
5. UIデザインの進化 (グラスモーフィズムとミニマリズム)
UI(ユーザーインターフェース)のデザインスタイルも進化しています。
トレンド
- グラスモーフィズム (Glassmorphism): すりガラスのような透明感とぼかし効果を使ったデザイン。背景が透けて見えることで、奥行きと軽やかさを表現します。
- ミニマリズムの進化: 単に要素を減らすだけでなく、余白を大胆に使い、洗練されたタイポグラフィと高品質なビジュアルで構成するスタイル。
- ブルータリズム (Brutalism): あえて「粗削り」で装飾を排した、生のHTMLのような無骨なデザイン。アンチトレンドとして、一部で人気があります。
関連用語
- ニューモーフィズム (Neumorphism): 以前流行したスタイル。背景と同じ色を使い、影(シャドウ)だけで凹凸を表現する、粘土細工のようなデザイン。
6. マイクロインタラクションとLottie
ユーザーの操作に対して、細やかで心地よいフィードバックを返すことが、使いやすさと楽しさにつながります。
トレンド
- ボタンホバー時の滑らかな変化、フォーム入力時のガイド、読み込み中の楽しいアニメーションなど。
- 軽量で高品質なベクターアニメーション「Lottie」の普及。
関連用語
- マイクロインタラクション (Microinteraction): ユーザーの小さな操作(クリック、ホバー、スワイプなど)に対する、小さなアニメーションや視覚的フィードバック。
- Lottie (ロッティ): Adobe After Effectsなどで作成したアニメーションを、Webやアプリで簡単に再生できる形式。SVGベースのため軽量で、どの画面サイズでも鮮明です。

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